マリオットアメックスの年会費は高い?過去と現在の料金・特典を比較
マリオット系列のホテルをよく利用する人に人気の「Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード」。通称「マリオットアメックス」は、カード利用でMarriott Bonvoyポイントを貯められるほか、無料宿泊特典やホテルの上級会員資格などを狙えるクレジットカードです。
一方、近年は年会費や特典の条件が大きく変わりました。特にプレミアムカードは年会費が82,500円となり、以前から利用している人にとっても、継続する価値があるのか考え直すタイミングになっています。
この記事では、マリオットアメックスの過去と現在の年会費を整理し、特典の変化やメリット・デメリット、どのような人に向いているカードなのかを解説します。
マリオットアメックスの年会費は過去からどう変わった?
まずは、年会費の変遷を確認しておきましょう。
マリオットアメックスの前身として知られるSPGアメリカン・エキスプレス・カードから、現在のプレミアムカードまでを振り返ると、年会費だけでなく、無料宿泊特典の獲得条件も変化しています。
年会費の変遷
| 時期・カード | プレミアム相当のカード | 一般カード |
|---|---|---|
| SPGアメックス時代 | 34,100円 | ― |
| 2022年の改定後 | 49,500円 | 23,100円 |
| 2025年8月21日以降の新制度 | 82,500円 | 34,100円 |
※すべて税込。SPGアメックス時代には現在の一般カードに相当する同一体系のカードはありません。旧制度の適用時期や年会費の請求額は、入会・切り替え時期によって異なる場合があります。
2022年にはSPGアメックスからマリオットボンヴォイアメックスへの移行に伴って年会費が改定され、プレミアム相当のカードは49,500円になりました。
さらに2025年8月21日からは、特典の拡充とともに年会費が改定され、プレミアムカードは82,500円、一般カードは34,100円となっています。
プレミアムカードは、2022年の49,500円と比較して33,000円の値上げです。割合にすると約66.7%の上昇となり、決して小さな変更ではありません。
年会費の増加を受け入れられるかどうかは、無料宿泊特典やポイント、会員資格をどれだけ活用できるかによって変わってきます。
現在のマリオットアメックスは2種類
現在のカードは、プレミアムカードと一般カードの2種類です。
| 項目 | プレミアムカード | 一般カード |
|---|---|---|
| 年会費 | 82,500円 | 34,100円 |
| 家族カード1枚目 | 無料 | 無料 |
| 家族カード2枚目以降 | 1枚41,250円 | 1枚17,050円 |
| 入会時のステータス | ゴールド | ゴールド |
| 無料宿泊特典の利用条件 | 年間400万円以上のカード利用 | 年間250万円以上のカード利用 |
| 無料宿泊特典の交換上限 | 75,000ポイント相当 | 50,000ポイント相当 |
| 更新時の宿泊実績 | 15泊分 | 5泊分 |
※無料宿泊特典は、所定の条件を満たした場合に付与されます。ポイント上限は特典の交換上限であり、すべてのホテルに必ず宿泊できることを保証するものではありません。
プレミアムカードは、年会費が高い分、無料宿泊特典の上限や宿泊実績などが充実しています。一方、一般カードは年会費を抑えながら、Marriott Bonvoyポイントを貯めていきたい人に向いた選択肢です。
2025年の改定で何が変わった?
2025年の改定は、単に年会費が上がっただけではありません。無料宿泊特典やプラチナエリート資格の獲得条件にも変化がありました。
1. 無料宿泊特典の上限が引き上げられた
プレミアムカードでは、無料宿泊特典の交換上限が従来の50,000ポイント相当から75,000ポイント相当へ引き上げられました。
さらに、所定の条件に従って手持ちのポイントを追加することで、最大100,000ポイント相当の宿泊に交換できる仕組みがあります。
一方で、無料宿泊特典を獲得するためのカード利用条件は、旧制度の年間150万円から、新制度では年間400万円へ引き上げられました。
つまり、特典の上限は増えたものの、以前よりも多くのカード利用が必要になっています。
2. プラチナエリート資格の獲得条件
プレミアムカードでは、年間400万円以上のカード利用によってプラチナエリート資格を目指せる仕組みがあります。
プラチナエリートになると、対象ホテルでのラウンジアクセスや客室アップグレード、レイトチェックアウトなど、ホテル滞在をより楽しむための特典が期待できます。
ただし、特典にはホテルやブランドごとの条件・例外があります。また、アップグレードは空室状況などに左右され、必ず希望の客室になるわけではありません。
カード利用額が大きい人にとっては魅力的な条件ですが、ステータス獲得のためだけに不要な支出を増やすのは避けたいところです。
3. ゴールドエリートは入会時に付与
プレミアムカードと一般カードのどちらも、入会時にゴールドエリート資格が自動付与されます。
ただし、ゴールドエリートとプラチナエリートでは特典内容が異なります。ラウンジアクセスや朝食特典を重視する場合は、ゴールドの特典だけで希望が満たせるか、事前に確認しておくことが大切です。
過去のマリオットアメックスのメリット
以前の制度では、現在よりも比較的少ないカード利用額で無料宿泊特典を獲得できたことが、大きな魅力でした。
年間150万円の利用で無料宿泊を狙えた
旧制度のプレミアムカードでは、所定のプログラム期間中に年間150万円以上利用すると、最大50,000ポイント相当の無料宿泊特典を獲得できました。
日常の買い物や固定費、旅行代金などをカードに集約することで、無理なく条件を達成できる人もいました。
年会費49,500円で最大50,000ポイント相当の無料宿泊特典を狙える点は、カードの価値を判断するうえでわかりやすいメリットでした。
年会費と利用条件のバランスが比較的よかった
年会費は安くありませんでしたが、年間150万円という利用条件で無料宿泊特典を狙えることから、カード利用額が一定以上ある人には使いやすい制度でした。
もちろん、無料宿泊特典を使わなければメリットは小さくなります。それでも、毎年マリオット系列のホテルに宿泊する人にとっては、年会費を回収する道筋を立てやすかったといえます。
ホテルの上級会員資格を活用できた
マリオット系列のホテルをよく利用する人にとっては、ポイントだけでなく会員資格も魅力でした。
宿泊実績を積み重ねることで上級会員を目指せるほか、カードに付帯するゴールドエリート資格も利用できます。
特に、ホテルの利用頻度が高い人ほど、ポイントや会員特典をまとめて活用できる点に価値を感じやすいカードでした。
現在のマリオットアメックスのメリット
年会費が上がった現在も、マリオットアメックスには魅力があります。ただし、その価値を十分に引き出せるかどうかは、カードの利用額やホテルの使い方によって変わります。
1. 高ポイント帯の無料宿泊を狙える
プレミアムカードでは、最大75,000ポイント相当の無料宿泊特典が用意されています。さらに条件に従ってポイントを追加すれば、最大100,000ポイント相当まで交換範囲を広げられます。
ポイント数が高いホテルや、通常料金が高い日に利用できれば、特典の価値を大きくできる可能性があります。
ただし、ポイント数が高いホテルなら必ず得というわけではありません。自分が実際に泊まりたいホテルで、現金料金とポイント数を比較することが重要です。
2. 年間利用額が多い人は特典をまとめて活用できる
年間400万円以上をカードで支払う人であれば、プレミアムカードの無料宿泊特典とプラチナエリート資格の獲得条件を同時に目指せる可能性があります。
日常の支出や事業関連の決済など、もともとカード利用額が大きい人にとっては、特典をまとめて活用しやすい仕組みです。
ただし、プラチナエリート資格は所定の条件を満たす必要があり、無料宿泊特典も別途条件を満たさなければなりません。カード利用額の集計期間や対象支出も確認しておきましょう。
3. ホテル宿泊の楽しみ方が広がる
マリオット系列のホテルを利用する人にとっては、ポイントを貯めて無料宿泊に交換できること自体が大きな魅力です。
普段は現金で宿泊するには高額なホテルでも、ポイントを活用すれば宿泊の選択肢に入る場合があります。
また、会員資格を活用できれば、対象ホテルでの客室アップグレードやレイトチェックアウトなども期待できます。
ただし、客室のアップグレードや希望する景色が保証されるわけではありません。特典を過大評価せず、確実に利用できる内容と、空室などに左右される内容を分けて考える必要があります。
現在のマリオットアメックスのデメリット
年会費が高くなったことで、カードを保有するメリットが以前よりも明確に分かれるようになりました。
1. プレミアムカードの年会費が82,500円
最も大きなデメリットは、やはり年会費です。
82,500円は、一般的なクレジットカードと比較すると高額です。無料宿泊特典を使わなかったり、ポイントを十分に活用できなかったりすると、年会費の負担が重く感じられます。
特に、ホテルの宿泊頻度が低い人や、マリオット系列にこだわらない人は、年会費の安いカードと比較する価値があります。
2. 無料宿泊特典の獲得条件が厳しくなった
旧制度では年間150万円のカード利用で無料宿泊特典を狙えましたが、現在のプレミアムカードでは年間400万円が条件です。
以前は条件を達成できていた人でも、支出を別のカードに分散したり、利用額が減ったりすると、特典を獲得できなくなる可能性があります。
無料宿泊特典の上限が引き上げられた一方で、獲得のハードルも上がった点は注意が必要です。
3. ポイントの価値は宿泊先によって変わる
マリオットアメックスで貯めたポイントの価値は、利用するホテルや宿泊日によって変わります。
現金料金が高い日に利用できれば、ポイントの価値を高く評価できる場合があります。一方、現金料金が比較的安いホテルや日程では、ポイントを使うメリットが小さくなることもあります。
そのため、カード利用で大量のポイントを貯めても、希望するホテルで効率よく使えなければ、期待したほどの価値を得られない可能性があります。
4. ほかの高還元カードとの比較が必要
カード利用額が多い人ほど、マリオットアメックス以外のカードを使った場合に得られるポイントやキャッシュバックも無視できません。
例えば、一般的な還元率1%のカードで年間400万円を支払えば、単純計算で4万円相当の還元になります。
マリオットアメックスでは、通常の還元に加えて無料宿泊特典や会員資格などを得られる可能性がありますが、それらを利用しなければ、ほかのカードのほうが合理的な場合もあります。
カードを比較するときは、ポイント獲得数だけでなく、年会費、無料宿泊特典、ステータス、旅行関連の付帯サービスまで含めて考えることが大切です。
年会費82,500円の元は取れる?
プレミアムカードを継続するか判断するときは、年会費を特典の価値と比較する方法がわかりやすいでしょう。
例えば、年会費82,500円に対して、無料宿泊特典を現金で予約した場合の宿泊料金と比較します。
仮に、無料宿泊特典で泊まるホテルの同日の現金料金が10万円なら、宿泊特典だけで年会費を上回る価値を得られる可能性があります。
一方、同じホテルの現金料金が6万円程度であれば、宿泊特典だけでは年会費に届きません。
ただし、ホテルの現金料金が高くても、普段ならその金額を支払って宿泊しないのであれば、実際に感じる価値は変わります。
さらに、カード利用で獲得したポイント、会員資格、宿泊実績、旅行関連の付帯サービスなども考慮できます。
大切なのは、特典の額面ではなく、自分が実際に使う特典にどれだけの価値を感じるかです。
マリオットアメックスはどんな人に向いている?
プレミアムカードが向いている人
- 年間400万円以上のカード利用が無理なくできる
- マリオット系列のホテルに毎年宿泊する
- 高ポイント帯のホテルで無料宿泊特典を使いたい
- プラチナエリート資格を目指したい
- ポイントや宿泊特典を計画的に活用できる
このような人であれば、年会費82,500円でも特典を活用できる可能性があります。
一般カードが向いている人
- プレミアムカードほどの年会費は負担したくない
- マリオット系列のホテルは好きだが、宿泊頻度はそれほど高くない
- 年間250万円以上のカード利用で無料宿泊特典を狙いたい
- ポイントを貯めながら年会費を抑えたい
一般カードは、年会費を抑えながらマリオットのポイントやホテル特典を活用したい人に向いています。
ほかのカードも検討したい人
- マリオット系列のホテルにほとんど宿泊しない
- 年間利用額が少なく、無料宿泊特典の条件達成が難しい
- ポイントを使いたいホテルが見つからない
- 年会費よりも、日常の買い物での還元率を重視したい
このような場合は、年会費無料または年会費の安い高還元カードをメインにしたほうが、家計全体では合理的な可能性があります。
まとめ:年会費の値上げ後は「使い切れるか」が重要
マリオットアメックスは、過去と比較して年会費が大きく上がりました。特にプレミアムカードは、49,500円から82,500円へ値上がりし、無料宿泊特典の上限が引き上げられた一方で、獲得条件も厳しくなっています。
以前の制度では、年間150万円の利用で無料宿泊特典を狙えたため、比較的少ない利用額でもメリットを感じやすい面がありました。現在は、年間利用額が大きく、特典を計画的に活用できる人ほど価値を引き出しやすい仕組みになっています。
年会費だけを見ると高額ですが、毎年利用するホテルやポイントの使い道が明確であれば、十分に検討する価値があります。
一方で、特典を使い切れない場合は、年会費の安い一般カードや、ほかの高還元カードと比較することも重要です。
マリオットアメックスを継続するかどうかは、過去に得をしたかではなく、これから1年間に得られる特典が年会費に見合うかという視点で判断するとよいでしょう。